シードラウンドにおける資金調達について

シードラウンド
 
起業をした後に資金を調達する方法はいくつかあります。多くの起業家、起業準備中の人と資金調達についての話をするのですが、意外と資金調達についての知識って持ってないんだなぁと実感します。
 
というわけで、ここでは資金調達、特にシードラウンドにおける資金調達について書いていきたいと思います。
※シード(創業)期の資金調達のことを「シードラウンド」とも言ったりするので、文脈に合わせて読んでいってください。
 

シードラウンドにおける資金調達の必要性

会社を設立した直後のこと、もしくは最初の頃のことをシードと言いますが、そのシード期で資金調達をおこなうことを「シードラウンドでの資金調達」と呼んだりします。その期間のことを指したり、その期間の資金調達実行のことを指したり、なかなか「シードラウンド」という言葉は扱いにくいのですが、そもそもシードラウンドにおいての資金調達はなぜするのか?をまず書いていこうと思います。
 
会社を設立直後は事業がまだ進捗していないケースがほとんどだと思います。そんな時は当然売上が無いので会社の資金は減っていくだけの状態となっています。会社設立時に用意したお金はどんどん減っていきます。
 
もしあなたが資産家であり、会社設立時に多額の資金を投入することができるならば話は別ですが、ほとんどの人はそうではないでしょう。そこで外部から資金を調達する必要があります。
 
※会社設立前に個人事業として何かサービスをやっていて、その流れで起業に踏み切った場合や、受託などで当座の資金を稼ぐことができる会社は急いでシードラウンドでの資金調達をする必要はないかもしれません。
 
 

シードラウンドの資金調達額は?

シードラウンドでは事業進捗していないケースが多く、よってバリュエーション(会社の価値)は低くなります。何もない状態、もしくはまだ事業規模が小さい段階ですのでやむを得ません。
 
ではシードラウンドのバリュエーションはどのくらいが多いのか?結論から言うと、5,000万円から1億円程度が多いと言えるでしょう。例えば5,000万円のバリュエーションの時に500万円を資金調達した場合は、その対価として10%の株式を渡します。ですので、有限会社や合同会社ではなく、シードラウンドの資金調達をする際には株式会社にしている必要があります。
 
とは言えシードラウンドでの調達額は会社によって様々です。実績のある人が市場規模の大きな領域で勝負する場合、必然的にシードラウンドからバリュエーションは高くなり、それに従って調達額も大きくなったりもします。シードラウンドだからといって1億円以下のバリュエーションというわけではありません。
 
 

シードラウンドの資金調達はどこから行うのか?

シードラウンドでの資金調達の方法はいくつかありますが、もっともポピュラーな方法が「VC(ベンチャーキャピタル)やエンジェル投資家から調達する」というものです。
 
VCもシードラウンド専門のところやレイターステージ(事業規模が大きくなった会社に出資)専門のところなど様々ですので、シードラウンド期の資金調達はシード専門のVCに相談するのがもっとも効率が良いです。
 
エンジェル投資家とは自分の会社を売却して資産を手にした人などで、スタートアップ投資をやっている人のことを指します。最近では一部のエンジェル投資家が積極的にスタートアップ投資をしているので、もし出会う機会があれば相談してみると良いでしょう。
 
 

シードラウンドでの資金調達で起きている問題

直近でTwitter上で話題になっている「エンジェル(もしくはVC、事業会社)が不当に安いバリュエーションで大きなシェアを取ってしまうシードファイナンス」の問題。昔から定期的にそういう問題は明るみになり、議論されます。現在においても数百万の出資で70%以上のシェアを握られるというシードラウンドが存在するようです。
 
「こういうもんだから」と数百万円前半の出資で3分の2以上のシェアを渡してしまう起業家というのは、さすがに情報不足という感じもしますが、それでは「いじめられる側も悪い」論になってしまうのでやめます。やはり適性なファイナンスを広めていかないといけないなと多少の危機感を感じましたね。とくに東京以外の地域でこういったスキームもあるみたいですし、まだまだ情報発信も不備があるなと思いました。
 
意外とファイナンスの知識は起業家側は持っていませんし、特に最初のファイナンス、シードファイナンスにおいてはファイナンスの経験も起業家側にありませんし、「騙され」やすいのでしょう。正しいシードファイナンスを行い、健全な産業育成をしていくにはファイナンスの知識をもっともっと啓蒙していく必要がありますね。
 
 

まとめ

というわけでシードラウンドでの資金調達についていろいろと書いてきました。まずはサービスを作ってみて、そして会社を登記し、シードラウンド専門のVCやエンジェル投資家に自分達の事業の素晴らしさを説明して、資金を集めるよう頑張ってみましょう。